【中小企業診断士】財務・会計過去問解説「H21年第7問」

過去問H21年 第7問

当期と前期との比較貸借対照表(要約)と比較損益計算書(要約)は次のとおりである。これらに基づいて以下の設問に答えよ。 h21-zaimutoi7 h21-zaimutoi7-2

(設問1) 収益性について前期と当期を比較した記述として、最も適切なものはどれか。 ア 売上高経常利益率と総資本回転率が上昇したため、総資本経常利益率が上昇した。 イ 売上高経常利益率と総資本回転率が低下したため、総資本経常利益率が低下した。 ウ 売上高経常利益率は上昇したが総資本回転率が低下したため、総資本経常利益率が低下した。 エ 売上高経常利益率は低下したが総資本回転率が上昇したため、総資本経常利益率が上昇した。

(設問2) 流動性について前期と当期を比較した記述として、最も適切なものはどれか。 ア 固定長期適合率は悪化し、負債比率も悪化した。 イ 固定長期適合率は良化したが、負債比率は悪化した。 ウ 流動比率は悪化したが、負債比率は良化した。 エ 流動比率は良化し、負債比率も良化した。

設問1解説

答え イ売上高経常利益率

売上高経常利益率 = 経常利益 ÷ 売上高 前期:100 ÷ 400 = 0.25 当期:100 ÷ 420 ≒ 0.24

総資本回転率

総資本回転率 = 売上高 ÷ 総資本 前期:400 ÷ 400 = 1 当期:420 ÷ 440 ≒ 0.95

総資本経常利益率

総資本経常利益率 = 経常利益 ÷ 総資本 前期:100 ÷ 400 = 0.25 当期:100 ÷ 440 ≒ 0.23

ということで答えは、 イ 売上高経常利益率と総資本回転率が低下したため、総資本経常利益率が低下した。 となります。

設問2解説

答え イ 順番に見ていきましょう。 ・固定長期適合率

固定長期適合率 = 固定資産 ÷ (固定負債 + 自己資本) 前期:120 ÷ (60 + 100 + 20 + 80) ≒ 0.46 当期:130 ÷ (100 + 100 + 30 + 70) ≒ 0.43

負債比率

負債比率 = 負債 ÷ 自己資本 前期:(30 + 70 + 40 + 60) ÷ (100 + 20 + 80) = 1 当期:(30 + 60 + 50 + 100) ÷ (100 + 30 + 70) = 1.2

流動比率

流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 前期:(60 + 40 + 80 + 20 + 50) ÷ (30 + 70 + 40) ≒ 1.79 当期:(30 + 60 + 100 + 20 + 80) ÷ (30 + 60 + 50) ≒ 2.07

固定長期適合率、負債比率は値が低いほうが良く、流動比率は値が高いほうが良いので、答えは イ 固定長期適合率は良化したが、負債比率は悪化した。 となります。