過去問H28年 第8問
次の資料に基づいて、下記の設問に答えよ。 販売単価 1,000円 単位当たり変動費 600円 1期当たり固定費 33,000円 (設問1) 資料に関する説明の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 a 全部原価計算を採用した場合、第1期と第2期の営業利益は同じである。 b 第1期では、全部原価計算を採用した場合の営業利益の方が、直接原価計算を採用した場合よりも大きい。 c 第2期では、全部原価計算を採用した場合の営業利益の方が、直接原価計算を採用した場合よりも大きい。 d 直接原価計算を採用した場合、第1期と第2期の営業利益は同じである。
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ bとd
エ cとd
(設問2)
第2期の損益分岐点比率として最も適切なものはどれか。
ア 17.5 %
イ 45.0 %
ウ 55.0 %
エ 82.5 %
設問1解説
答え ウ
設問1は第1期、第2期でそれぞれ「全部原価計算」、「直接原価計算」を採用した場合の営業利益がどうなるかを問われています。
それでは各パターンをそれぞれ見ていきましょう。
・全部原価計算を採用した場合の第1期営業利益
まずは売上原価がいくらになるかを計算していきます。
売上原価が「90,000円」となりました。
あとは売上高(1,000円×100個)から売上原価を引くと、
100,000 – 90,000 = 10,000円
全部原価計算を採用した場合の第1期営業利益は「10,000円」となりました。
・全部原価計算を採用した場合の第2期営業利益
こちらもまずは売上原価がいくらになるかを計算していきます。
第1期から製品を繰り越していること注意してください。
売上原価が「96,000円」となりました。
第1期と同じように営業利益を計算すると、
100,000 – 96,000 = 4,000円
全部原価計算を採用した場合の第1期営業利益は「4,000円」となりました。
・直接原価計算を採用した場合の第1期営業利益
まずは変動売上原価を計算します。
変動売上原価が「60,000円」となりました。
売上高から変動売上原価を引いて「貢献利益」を計算します。
100,000 – 60,000 = 40,000円
次に貢献利益から固定費を引いて「営業利益」を計算します。
40,000 – 33,000 = 7,000円
直接原価計算を採用した場合の第1期営業利益は「7,000円」となりました。
・直接原価計算を採用した場合の第2期営業利益
こちらもまずは変動売上原価を計算します。
第1期から製品を繰り越していること注意してください。
売上高から変動売上原価を引いて「貢献利益」を計算します。
100,000 – 60,000 = 40,000円
次に貢献利益から固定費を引いて「営業利益」を計算します。
40,000 – 33,000 = 7,000円
直接原価計算を採用した場合の第2期営業利益も「7,000円」となりました。
以上4つのパターンをまとめると
第1期営業利益
全部原価計算 10,000円 直接原価計算 7,000円
第2期営業利益
全部原価計算 4,000円 直接原価計算 7,000円
となりました。
ということで答えは ウ bとd となります。
設問2解説
答え エ
設問2は第2期の損益分岐点比率を求める問題です。
設問1で計算した第2期の直接原価計算の資料を使って損益分岐点を計算します。
1 – 0.6 =0.4(限界利益比率)
33,000 ÷ 0.4 = 82,500(損益分岐点)
82,500 ÷ 100,000 × 100 = 82.5%
ということで答えは エ 82.5 % となります。
ワンポイントアドバイス
限界利益率 = 1 – 変動費率
損益分岐点 = 固定費 ÷ 限界利益率