【中小企業診断士】財務・会計過去問解説「H20年第25問」

過去問H20年 第25問

初期投資額400万円を必要とする投資案(経済命数2年)の第1年度のキャッシュ・フローの現在価値が200万円となる確率が0.5、300万円となる確率が0.5と予測されている。  第1年度に200万円のキャッシュ・フローの現在価値が生じた場合に、第2年度のキャッシュ・フローの現在価値が300万円となる確率が0.5、400万円となる確率が0.5と予想されている。  また、第1年度に300万円のキャッシュ・フローの現在価値が生じた場合に、第2年度のキャッシュ・フローの現在価値が300万円となる確率が0.5、400万円となる確率が0.5と予測されている。  この投資案についての記述として最も適切なものはどれか。

ア 正味現在価値が100万円となる確率は0.5である。 イ 正味現在価値が300万円となる確率は0.5である。 ウ 正味現在価値の期待値は200万円である。 エ 正味現在価値の期待値は300万円である。

解説

答え ウ

この問題は少し特殊ですね。 正味現在価値の計算というより、期待値の計算ですね。 それぞれのパターンのキャッシュフローの現在価値を見ていきましょう。

・第1年度が200万円、第2年度が300万円の場合の正味現在価値は「100万円」 ・第1年度が200万円、第2年度が400万円の場合の正味現在価値は「200万円」 ・第1年度が300万円、第2年度が300万円の場合の正味現在価値は「200万円」 ・第1年度が300万円、第2年度が400万円の場合の正味現在価値は「300万円」

各パターンは25%(50% × 50%)ずつで起こります。 それでは選択肢を順番に見ていきましょう。

ア 正味現在価値が100万円となる確率は0.5である。 100万円になるのは1パターンしかないので確率は0.25なので不適切です。

イ 正味現在価値が300万円となる確率は0.5である。 300万円になるのは1パターンしかないので確率は0.25なので不適切です。

ウ 正味現在価値の期待値は200万円である。 期待値の計算は各パターンの正味現在価値に発生確率(25%)を掛けてその合計が期待値です。 今回は各パターンの確率が同じなので、各パターンの正味現在価値の合計に25%を掛けて計算します。

(100 + 200 + 200 +300 × 25%) = 200万円

ということで期待値は200万円なので適切です。

エ 正味現在価値の期待値は300万円である。 ウの解説の通り、不適切です。

ということで答えは ウ 正味現在価値の期待値は200万円である。 となります。